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2018年の介護報酬と診療報酬のW改定に備えて考えておきたいこと

2016/12/19
2018年の介護報酬と診療報酬のW改定に備えて考えておきたいこと

団塊の世代が全員75歳を迎える2025年に向けて、介護業界では日々慌ただしい活動が続いています。企業の利益と社会福祉の理念の共存、介護の人手不足と外国人労働者の問題、それに慢性的な財政危機など、業界を取り巻く環境には問題が山積で、なにから手をつければいいのかわからないほどです。そんな状況下で、2018年には大きなイベントが待ち構えています。介護報酬と診療報酬のW改定です。W改定で予測されること、今からできることをあらかじめ考えておくことで、来たるべき大きな変化に備えておきましょう。

2018年は介護報酬と診療報酬のW改定の年

介護報酬改定は3年に1度、診療報酬は2年に1度の改定が基本です。6年に1度は、介護と医療のW改定が行われることになります。前回のW改定は2012年、このときには新たなサービスとして、24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問介護看護と、小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせた複合型サービスが作られました。2012年の改正時のポイントは「施設から在宅へ」と、「自立支援型サービスの強化」といえるでしょう。現在、各地で進められている地域包括ケアシステム構想も、このときに提起されています。

前述の2つのキーワードのうち、「自立支援型サービスの強化」が少しわかりにくいかもしれません。わかりやすくいいかえると「最後まで自宅で暮らせる介護環境を作ろう」ということです。骨折や肺炎などで入院して機能低下したとしても、その後のリハビリによって自宅に戻ることを推進する試みです。これによって、リハビリの提供体制の充実や、訪問介護の生活援助の時間区分の見直しがなされました。前回のW改定から6年、今回の改定もこの流れに沿って進められることは、まず間違いないと考えられます。

影響を受けるのは要介護1と2?予想される介護報酬改定

2016年現在、報酬改定の内容が具体的に決まっているわけではありません。しかしながら、多くの識者の共通認識として、2018年の介護報酬改定は「厳しい」ものになる、と予想されます。「厳しい」の程度は人によってまちまちですが、現在の社会保障費の増大と今後の人口予測を考えた場合、介護報酬のマイナス改定はほぼ間違いないといえるでしょう。事業所にとって苦しい台所事情が続きますが、厳しい改定となるのは事業所にとってだけではありません。介護保険サービスを利用している高齢者にとっても、これまでのように十分なサービスを受けられなくなる恐れがあります。

現在の介護報酬改定の流れは、軽度の要介護者は介護保険外でみて、重度の要介護者に介護保険サービスを集中させようとしています。限られた労力を、より介護を必要な人のところに注力する。間違ってはいませんが、言い方を変えるとそれは、軽度要介護者の切り捨てに他なりません。

今回の改定でいきなり要介護1、2の人が介護保険サービスを利用できなくなることは考えにくいですが、単位数の減少や、利用できるサービスの制限は十分に考えられます。要支援の人にとっては、より厳しい状況が待ち受けています。今回の改定でもっとも影響を受けるのが、介護認定によって自立~要支援1、2と認定された人々であることは間違いないでしょう。これらの人々の介護保険サービス利用を制限し、地域包括ケアや総合事業によって不足分を補おうというのが、国の考えている戦略だと考えられます。

重要視される地域での介護と医療の連携!乗り越えるべきハードルは?

軽度要介護者が介護保険サービスを利用できなくなる流れは、もう押しとどめることができないのかもしれません。となると、大事になってくるのが、各自治体による地域包括ケアシステムの推進と充実です。各自治体の行政が積極的に動いて地域住民の理解を得て、地域に眠っている活力を積極的に掘り起こし活用することで、介護保険から漏れた人々の受け皿を作ることが求められています。これは、自立した人が軽度の要介護者をみる、一方的なケアシステムではありません。軽度の要介護者が自立を果たし、自分たちでより介護が必要な人を見ていく、高齢者同士の互助システムの構築が不可欠です。

こうした環境を作り上げるためには、長年の働きかけが欠かせません。現在ほかの地域に先駆けて、地域包括ケアを進めている地域でも、その取り組みは10年以上前から始められているものがほとんどです。地域住民だけでなく、介護施設や医療施設との連携も求められます。入院期間を短期間にする代わりに、自宅から通院できるための環境づくりや、一時的な介護施設での受け入れなど、地域にある事業所同士の交流と協力がなければ、地域包括ケアシステムの実現は覚束ないでしょう。

2018年のW改定以降、介護と医療、そして行政間の密な連携が、今まで以上に大きな鍵を握ることになりそうです。地域格差が生まれるかどうかも、ひとえにこの点にかかっているといえるのではないでしょうか。

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