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運営指導に入られるのは特別なこと?改正によって変わった点は?

2022/08/17
運営指導に入られるのは特別なこと?改正によって変わった点は?

運営指導が入ると聞くと「何か問題になるようなことがあっただろうか」と不安になるケースもあるでしょう。実際のところ、運営指導ではどのようなことが調査されるのでしょうか。介護事業を円滑に進めるためにも、きちんと理解を深めておくことが重要です。そこで、この記事では運営指導の概要や基本的なルール、監査に移行されるケースについて解説します。

運営指導

1.運営指導とは何?

そもそも運営指導とはどのようなものなのでしょうか。概要や基本的なルールについて見ていきましょう。

1-1.運営指導の概要

自治体が行う介護保険施設等に対する指導には、大きく分けて「集団指導」と「運営指導」の2種類があります。集団指導とは、介護サービスの質を確保し、保険給付の適正化を図るために行われるものです。都道府県知事または市町村長が主体となり、年1回以上事業所のサービス担当者を一定の場所に集め、講習会などの形で指導が行われます。なお、オンライン会議システムやホームページなどを活用し、動画配信などの形で実施することも可能です。

運営指導は、都道府県など自治体の担当者が介護保険施設などに対して行う、立ち入り調査をいいます。個別サービスの質や基準等に規定する運営体制に関する指導、加算などの介護報酬請求の適性実施に関する指導を実施します。運営指導は誤った認識を持たれがちですが、事前に不正や違反が発覚したために入る調査ではありません。すべての事業所に対し、介護保険法23条および24条を根拠として、定められた期間内に1回以上行われることになっています。

1-2.運営指導の基本的なルール

運営指導は厚生労働省が定めたマニュアルに基づき実施されます。マニュアルには指導の方針や方法が記載されており、原則マニュアルに書かれていないことは行われません。なお、運営指導を実施する際は、施設や事業所に対して原則1カ月前までに事前通知することになっています。訪問する指導担当官は3名以内という決まりです。なお、居宅介護支援事業所に関しては、介護支援専門員1人あたり利用者1~2名についての記録を確認します。前年度から1カ月前までの書類を確認し、確認すべき書類がない場合は監査へと移行することになります。

2.2022年4月の改正で変更になった点は?

2022年3月31日、厚生労働省老健局総務課介護保険指導室は「介護保険施設等指導指針」を公表しました。この改正によって、変更された点があります。まず、厚労省は改正後「介護サービスの実施状況の指導」「最低基準など運営体制の指導」「報酬請求の指導」の3つを徹底し、指導内容を明確化する方針を固めました。また、運営体制の指導および報酬請求の指導において、オンライン会議ツールを用いることが可能になりました。この変更により、自治体と介護サービス事業所、双方の負担を軽減する目的です。

加えて、確認項目を定め、確認項目以外は特段の事情がない限り行わない形になりました。確認文書以外の文書も、原則として求めません。上記のような変更により、結果として実地で行われないケースが出てきています。そこで、名称も「実地指導」から「運営指導」へと改められました。

3.運営指導から監査に移行されるケースとは?

運営指導を行った結果、なかには監査へと移行されるケースもあります。監査とは指定基準違反が認められるもしくは疑われる場合に、事業所体制の適正な整備や運用などのため、措置をとるものです。その結果、報告・改善勧告・改善命令、指定の効力、指定の取り消しといった行政処分が行われます。つまり、監査とは何らかの問題が生じた場合に行われるものなのです。なお、監査は事業所側の同意が必要ありません。何らかの不備があった場合は運営指導を中止し、直ちに監査を行って事実の調査や確認を行います。運営指導から監査に移行される具体的なケースには、以下のようなものが挙げられます。

まず人員の配置・設備・運営などについて、定められている基準に従っていない状況が著しいと認められる場合、またはその疑いがあると認められる場合です。このようなケースは指導するだけではすぐに改善されないと判断されるため、監査が実施されます。また、報酬請求に関する不正が発覚、もしくは不正が疑われる場合も監査が行われます。これは、さらに内容を詳しく調査する必要があることが理由です。次は不正な手段によって指定を受けた、もしくはその疑いがあると認められるケースです。この場合、基準や加算要件を満たしていない可能性があるため、確認が必要になります。

それ以外にも、高齢者に対する虐待が発覚、もしくはその疑いが認められるケースが挙げられます。これはより詳しく調査を行い、改善する必要があるためです。意図せずとも上記のような不備があると、運営指導から監査に移行となる可能性があります。適正な運営と記録を徹底し、日頃から運営指導対策を行いましょう。

必要書類の管理を徹底しておこう

運営指導はどの介護サービス事業者に対しても行われることです。したがって、日頃から法令を遵守した正しい運営管理を行っていれば、おそれることはありません。運営指導対策のためにも、基準や加算要件について正しく理解しておくことが大切です。また、必要書類の管理も徹底する必要があります。必要な知識をきちんと身につけ、適正な運営を心がけましょう。

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