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特定事業所加算(IV)とは?算定要件や加算単位・I~IIIとの違いは?

2021/03/29
特定事業所加算(IV)とは?算定要件や加算単位・I~IIIとの違いは?

居宅介護支援を行う介護事業者であれば押さえておきたい制度に「特定事業所加算」がありますが、この制度は具体的に何を目的とし、利用できる要件にどのような項目があるのか正しく理解していますか。また、2021年3月現在、特定事業所加算は算定要件がI~IVまで分かれていますが。それぞれの要件にどのような違いがあるのか把握していますか。特に今年の4月の介護報酬改定により、報酬・加算の単位数が変更します。また、特定事業所加算(A)の算定要件が新しく新設され、特定事業所加算IVは特定事業所医療介護連携加算扱いとなります。

今回は、特定事業所加算の基本的な知識として算定要件や加算単位、算定要件について、わかりやすく解説します。

特定事業所加算(IV)

1.そもそも「特定事業所加算」とは?

特定事業所加算は、介護事業で質の高いサービスを提供している事業所を対象とした制度です。一定の条件を満たして事業を運用している事業所に対して積極的に評価を行い、その評価に応じた加算が行われるシステムとなっています。評価を行うにあたりチェックされるポイントは、主に「職場の環境整備」と「人材の質の確保」です。介護業界で離職率の高さによる人手不足が課題となっているなか、職場環境や人材のレベルを一定以上で維持し、事業所に対する信頼を向上させることを目指して制定されました。

また、それぞれの地域において、満足度が高く、介護レベルに関わらずすべての利用者に対して積極的な介護サービスが提供されるようにすることも制度が設けられた目的です。特定事業所加算は要件によってI~IVの4つの種類に分けられていて、どの種類に該当するかにより加算される割合が変わります。

2.算定要件I~IIIと加算単位

特定事業所加算はI~IVの4つの種類がありますが、まずはI~IIIについての要件と加算率について種類ごとに解説します。

2-1.特定事業所加算I

4種類のうち最も加算単位が大きいのが「特定事業所加算(I)」です。要件を満たしていると1月につき2021年3月までは500単位、4月以降は505単位の加算があります。特定事業所加算(I)には、II~IVにはない2つの要件があり、そのうちの1つが「常勤でその業務だけに従事する主任介護支援専門員を2名以上確保し配置していること」です。また、「算定月を含めた月の全利用者数のうち、要介護3~5の人の割合が40%以上であること」も要件に挙げられています。

加えて、IIやIIIと共通した要件を満たすことも必要です。たとえば、「利用者に関する情報やサービス提供時に留意すべき事項についての連絡や指示などの伝達を行う会議を一定の頻度で開催すること」が要件のひとつに挙げられています。一定の頻度とはおおよそ週1回以上が目安です。さらに、「24時間いつでも連絡できる体制の確保」や「利用者などが相談を必要とした際にきちんと対応できる体制の確保」なども要件に含まれています。ちなみに、体制を確保する日は営業日以外も含まれます。

2-2.特定事業所加算II

「特定事業所加算(II)」は、特定事業所加算(I)に次いで加算単位が大きく、要件をクリアすると1月につき2021年3月までは400単位、4月以降は407単位の加算があります。「特定事業所加算(II)」の特徴となる要件は、まず、「常勤でその業務だけに従事する主任介護支援専門員を配置していること」です。一定の条件を満たした主任介護支援専門員を配置することは特定事業所加算(I)でも要件に挙げられています。ただし、配置人員に関して2名以上と規定している特定事業所加算(I)に対して、特定事業所加算(II)には人数の条件がありません。

また、主任介護支援専門員のみならず、「常勤でその業務だけに従事する主任介護支援専門員」の配置も要件である点が特定事業所加算(II)の特徴です。主任介護支援専門員については3名以上という配置人数の条件があります。

2-3.特定事業所加算III

要件を満たすことで1月につき2021年3月までは300単位、4月以降は309単位の加算があります。「特定事業所加算(III)」です。I~IIにはない条件として「常勤でその業務だけに従事する介護支援専門員を2名以上配置していること」があります。特定事業所加算(II)と同じく、「常勤でその業務だけに従事する主任介護支援専門員の配置」も要件とされているため、常勤でその業務だけに従事する専門員は最低でも主任介護支援専門員1人と介護支援専門員2人の、あわせて3人以上が必要です。

3.新設された特定事業所加算(A)の算定要件とは?

要件を満たすことで1月につき100単位が加算されます。特定事業所加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの算定要件として異なるのは、介護支援専門員を常勤1名以上、非常勤1名以上(非常勤は他事業との兼務可)配置すること、連絡体制、相談体制確保、研修実施、実務研修への協力、事例検討会等実施においては他の事業所との連携による対応を可とすることの2点です。

4.特定事業所加算IVは特定事業所加算から切り離され、特定事業所医療介護連携加算扱いへ

特定事業所加算IV は2021年4月以降、特定事業所医療介護連携加算となります。2021年3月までの「特定事業所加算(IV)」と同様に、上乗せの加算制度で、I~IIIのいずれかを算定していることが加算条件です。要件を満たしていると1月につき125単位を加算されます。また、医療機関などとの連携を日常的に、より積極的な体制で取り組んでいることも要件です。具体的には、退院加算や対処加算の算定にかかわる連携を前々年度の3月から前年度の2月までの1年間に35回以上行っていなければなりません。カウントされるのはあくまでも連携回数であり、算定回数ではないことに注意しましょう。加えて、ターミナルケアマネジメント加算の算定回数にも条件があり、前々年度の3月から前年度の2月までの1年間で5回以上あることが必須となっています。

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