
特定事業所加算の加算取得!知っておきたいメリットと懸念事項

加算率の高い「特定事業所加算」に興味があっても、届出をするには至っていないという事業所も多いのではないでしょうか。経営を安定させるためにも、特定事業所加算の要件を満たして算定し、収益をアップさせたいところです。この記事では、特定事業所加算に必要な要件や取得するメリット、懸念される点に対処する方法などについて、詳しく説明します。
1.「特定事業所加算」について確認!
ここでは、そもそも特定事業所加算とは何か、2018年の改定でなされた変更内容について説明します。はじめに、「特定事業所加算」についての基本を押さえておきましょう。
1-1.「特定事業所加算」とは?要件は?
介護報酬は、「基本報酬」と「加算・減算」の2つによって算出されます。「特定事業所加算」は、一定の要件を満たせば、訪問介護や居宅介護の報酬に加算されるものです。離職率の高さが問題視される介護職に配慮した職場環境の向上や、介護の質と事業所の信頼を高めることを目指し設けられました。特定事業所加算には、加算の割合が高い順にIからIVまでの区分があります。
加算の割合が最も高い「特定事業所加算I」を算定するためには、訪問介護では「介護福祉士の割合が30%以上」などとする人的要件や、研修に関するものすべてを満たす必要があります。「特定事業所加算II~III」は、そのなかの一部の要件を満たさなければなりません。居宅介護の「特定事業所加算IV」では、I~IIIのうちどれかを算定したう上で、定められた医療機関との連携回数やターミナルケアマネジメント加算の算定回数を満たす必要があります。訪問介護の「特定事業所加算IV」では、要介護3〜5や認知症などの利用者が60%を占めるなど4つの要件が定められています。
1-2.2018年度の改定で何が変わった?
従来では、特定事業所加算にはI~IIIまでの区分が設けられていました。2018年に行われた介護報酬改定で変わったのは、新たに「特定事業所加算IV」が加わった点です。医療機関との連携を密に行い、総合的な対処をしている事業所を適正に評価するために新設されました。特定事業所加算IVを算定すれば、1ヵ月に125単位が加算されることになります。そのためには、退院・退所の加算は、医療機関との連携を1年間に35回、ターミナルケアマネジメント加算を1年間に5回以上算定しなければなりません。特定事業所加算においては、医師の詳しい指示に基づいたマネジメントを評価の対象としたことが、大きな変更点です。
2.4割の事業所しか届出をしていない!?考えられる理由
特定事業所加算を算定すれば加算率が高くなることはわかっていても、実際には4割ほどの事業所しか届出をしていません。算定すれば2割ほど収益がアップするといわれているのに、なぜ届出をしないのでしょうか。考えられる理由としては、資格や実績など求められる人員要件を満たすことが難しい点が挙げられます。訪問介護では、介護福祉士の割合が定められているほかにも、すべてのサービス管理責任者が「実務3年以上の介護福祉士」などの要件を満たさなければなりません。居宅介護でも常勤専従の主任介護支援専門員などの配置や、常勤専従の介護支援専門員が求められています。開業して実績が少ない事業所などは、このような人員配置をするのが難しいこともあるでしょう。
3.取得できたとしても大変?取得後の懸念事項
人員要件を満たして特定事業所加算を取得したとしても、実際に事業所を運用していく上で懸念材料となるものもあります。特定事業所加算を算定するには、職員の研修計画の立案や受講管理も加算要件として求められています。研修計画は、職員1人ひとりに対して具体的な内容を作成する必要があるのです。また、職員はサービス管理責任者の指示を聴き取った上で、介護の内容を文書で伝達・報告をしなければなりません。このような手間がかかるため、負担が増すのではないかと捉えられがちですが、職員のスキルアップは事業所のサービス向上にもつながる大切な要因といえます。
4.それでも検討はしてみたい!特定事業所加算のメリット
特定事業所加算を算定すれば、それまでよりも事業所へ入る利益は増えます。特に、加算率の高い「特定事業所加算I」を算定すれば、収益率も大きくアップすることは間違いありません。職員への給与など処遇改善のみに使わなければならない「処遇改善加算」とは異なり、特定事業所加算で算定された分については、経営者が自由に采配できます。例えば、「職員の賞与に反映させる」、「事業運営に必要な設備投資をする」など、いろいろな使いかたが可能です。それだけでなく、特定事業所加算を受けている事業所になれば、利用者など周囲からの信頼感が増すことになります。研修の充実や賞与などの処遇改善効果が高まれば、職員の離職率が下がることも期待できます。特定事業所加算の算定には懸念事項もありますが、それを上回るメリットがあるので、ぜひ届出を検討してみましょう。
資金の悩みがあるなら「介護報酬ファクタリングサービス」
特定事業所加算は加算率が高いので、安定した経営や職員の離職防止のためにも、事業所は算定を目指していきたいところです。ただし、要件を満たすためには資金も必要になるので、資金繰りを楽にする方法を使うといいでしょう。「介護報酬ファクタリングサービス」なら、事業所が国保連(国民健康保険団体連合会)に対して請求する介護保険給付費を、前払いでもらえるのでおすすめです。
リコーリースの介護報酬・障がい福祉ファクタリングは、“負債”扱いにならずに“早期”資金調達ができる介護事業、障がい・福祉事業者向けの金融サービスです。最短5営業日で資金化も可能。サービスの詳細は下記バナーをクリックください。
けあコンシェルでは会員登録いただきますと『実践CaseStudy』や『介護Report』などの介護業界の旬な情報をご覧いただけます。
けあコンシェル会員登録をされた方は、必ず弊社サービスをお受けいただくということではございませんので、お気軽にご登録ください。
福祉医療機構が行った特別養護老人ホームの人材確保に関する2024年度の調査結果によると、職員が「不足している」と回答したのは933施設の69.0%で、前年度(863施設)を1.3ポイント下回った。同機構の調査レポート...
Q. 「介護職員等処遇改善加算」のキャリアパス要件等の経過措置は継続されないのでしょうか?「介護職員等処遇改善加算」(以下、新加算)のキャリアパス要件について、2024年度中は年度内対応の誓約でよいと...
日本看護協会は、2026年度予算で在宅など介護サービスに従事する看護職員の確保・定着につなげるための処遇改善などを求める要望書を厚生労働省に提出した。厚労省側は介護報酬の基本報酬と加算の両面で処遇改善に対...
厚生労働省は4日、認知症老人徘徊感知機器など通信機能を備えた福祉用具の通信や受信端末の費用は介護保険の給付対象外とする案を「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会」に示し、おおむね了承された(参照)。これ...
東京都は、3年に1回行っている在宅系と施設・居住系の介護事業者を対象にした運営状況調査を2025年度に実施する(参照)。東京都介護現場革新会議は4日、介護現場でのデジタル化の状況などを詳しく把握するため、調査...
>>その他サービスを見る
早期資金化!介護報酬ファクタリングサービスで解決!現行の介護保険制度では、国民健康保険団体連合会(国保連)から介護報酬を受け取るまでに約2ヶ月かかり、その間に発生する人件費など資金が必要になります。リコーリースの「介護報酬ファクタリングサービス」を利用すれば、通常より1.5ヶ月も早く資金化することができます。
ご利用者様の預金口座から利用料金を口座振替いたします。弊社の口座振替ネットワークを利用して、電気料金などの公共料金と同じように、ご利用者様の預金口座から利用料を口座振替するシステムです。振替日は4日、20日、27日をご用意しております。
車両リースは、資金の効率的な活用を実現し、メンテナンスなど煩雑な管理業務もアウトソーシングできるため多くの企業に採用されています。一般的に車両リースを大別すると、ファイナンスリースとメンテナンスリースに分類することが出来ます。
商圏分析サービスとは、これからデイサービスの開業をお考えの方、既にデイサービスを開業しており増店をお考えの方へ出店したい地域の情報を提供させていただくサービスです。簡易版では、出店したい地域の商圏内における3種類のレポートを「けあコンシェル」会員様限定で無料にて提供いたします。
利厚生の充実は、優秀な人材確保の切り札です。アウトソーシングサービスを活用することで、豊富で充実したメニューを従業員やそのご家族の皆様へ提供でき、満足度を向上することができます。