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就労継続支援A型とB型は何が違うの?賃金や待遇の差はあるの?

2019/09/24
就労継続支援A型とB型は何が違うの?賃金や待遇の差はあるの?

就労継続支援事業を始める際には、A型とB型の違いを知ってから申請することが大切です。障害者が働く場であることや、利用できる期間に定めがない点は同じですが、支援の型や賃金などは異なります。一方で、2つの就労継続支援の申請に必要な要件には、ほとんど違いがありません。申請に必要なポイントを確認し、雇用形態など異なる点についても正しく把握してから指定申請の手続きを進めていきましょう。

就労継続支援の申請に必要な要件とは?

就労継続支援の指定を受けるために申請する場合、人員や設備には基準があります。必要な要件を満たしているかを、ひとつひとつ確認することが大切でしょう。また、必要な基準を満たしても、法人でなければ指定されないことについても解説していきます。

1.人員条件
就労継続支援事業を適切に行うために、事業に必要な人員の条件が定められています。職員の管理や申し込みの調整などを行う「管理者」は、1名配置しなければなりません。原則としては常勤で、社会福祉主事任用資格を持っている、または社会福祉事業の2年以上の経験者や、企業経営の経験者であることが必要です。また、支援計画作成や職員の指導などを実施する「サービス管理責任者」については、60人以下の事業所に1名以上置かなければなりません。相談支援業務に5年以上の経験があるなどの実務経験を持つ人が、サービス管理責任者研修を受講することが条件です。

「職業指導員」「生活指導員」は、利用者10名に対しそれぞれ1名以上の配置で、常勤が1名以上必要とされています。職業指導員は、個別支援計画に基づいた利用者の仕事に関する支援を実施します。生活指導員は、個別支援計画に沿って生活に関わる支援を実施します。どちらも障害福祉に関わっていた人材が望ましいとされていますが、特に資格は求められていません。

2.設備条件
就労継続支援事業を申請する場合、事業を円滑に実施するために設備にも必要な条件があります。訓練・作業室には、作業や訓練に支障が出ない広さ、必要な機器の設置が求められているため確認しておくといいでしょう。相談室・多目的室には、相談の内容が知られないよう間仕切りを設けなければなりません。そのほか、洗面所・便所は、利用者の特性に応じた設備にすることが必要とされています。多目的室は、支障がなければ相談室と兼用でも構いません。設備の一部が施設にあるほかの設備を利用できる場合には、利用者の支援に対し支障が出ないことを条件に設けなくてもよいとされています。

このほか、建築基準法や消防法にのっとり、法令を守っている設備であることが必要です。たとえば、非常時に備えて、出入口以外には複数の避難経路を確保しなければなりません。また、利用者に配慮したバリアフリー構造であることや、移動しやすいように手すりを設置することなども求められています。2階以上の建物の場合にはエレベーターを設置することも必要とされているなどの項目もあるため、設備基準に漏れがないか十分に注意しましょう。

3.法人格の取得
そもそも、社会福祉事業としてサービスを提供するためには、法人格を取得していなければなりません。法人格には、株式会社やNPO法人、社会福祉法人などのさまざまな形態があります。就労継続支援事業では、「専ら社会福祉事業を行う者でなければならない」と規定されていることに注意が必要でしょう。すでに法人として事業を行っている場合は、事業に1つでも福祉以外の内容があれば、新しく法人を作らなければなりません。社会福祉事業のみの法人であれば新設する必要はないため、既存の法人格で申請できます。

就労継続支援事業の指定を受けるためには、法人の定款に障害福祉事業の目的を記載しなければなりません。就労継続支援A型、B型の事業を行うことが分かるように記載してから申請します。その際には、指定を受けるための事業目的だけでなく指定後の目的も記載するといいでしょう。利用者が行う業務が、福祉以外になることも考慮して記載する必要があります。たとえば、リサイクル関連事業に従事する予定があるなら、古物商許可証を取得し目的も記載しなければなりません。

就労継続支援A型とB型の違いとは?

それでは、就労継続支援A型とB型には、どのような違いがあるのでしょうか。賃金が利用者に支払われる点は同じなので、大きな違いは雇用体系にあると捉えておくといいでしょう。主な違いについて解説していきます。

1.雇用契約の有無
就労支援A型事業とB型事業の大きな違いは、雇用契約の締結の有無にあります。A型事業の対象者は、一般の企業で雇用契約を結び仕事をするのは困難でも、就労支援事業における雇用契約を締結可能な人です。そのため、A型事業では利用者との間に雇用関係が成立し、事業者には社会保険などの人件費が生じます。半面、雇用が安定することや、雇用に関する補助金があることも視野に入れておくといいでしょう。

一方で、B型事業の対象者は、一般の企業で雇用契約を結ぶことが困難で、就労支援事業においても雇用契約を締結できない人とされています。事業者との間には雇用関係にないので、利用者に合った無理のない就業時間を自由に決めることが可能です。また、A型事業には「原則として65歳未満」という年齢の決まりがありますが、B型事業には年齢制限はありません。

2.賃金体系の違い
A型・B型ともに賃金は発生しますが、雇用契約締結の有無によって支払われる賃金は異なります。A型事業の場合は、働いた時間に最低賃金が保証された時給を乗じて賃金を計算します。一方で、B型事業では仕事の受託料を作業人数で分割するため、最低賃金の保証はありません。仕事内容は事業所によって異なりますが、A型の方が難しくなります。利用者に合った就労支援を提供する事業所として運営を開始しましょう。

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