
人材育成と管理はどうすべし?ショートステイ事業者の人員基準について

在宅で介護をする人にとって、いざというときの心強い味方といえるのがショートステイです。介護離職を防ぐためにも、デイサービスと並んで今後ますます必要とされることが予測されます。しかし事業者の側に立ってみると、一筋縄ではいかない面もあります。とりわけ多くの事業所が頭を悩ませているのが、人材確保の問題でしょう。ショートステイではどのような人材が必須なのか、確保のためにはどのような取り組みをしていくべきなのか、まとめてみました。
ショートステイ事業者に課せられる義務
ショートステイ事業者として事業を始めるためには、クリアすべき要件がいくつか定められています。ショートステイ事業者の指定基準には人員基準、設備基準、運営基準の3点が定められており、これらを満たすことによって、自治体より事業者としての認可が下りるようになっています。今回はその中でも人員基準に照準を絞って話を進めることにしましょう。
人員基準でもっとも基本的な要件となるのが、介護・看護職員とショートステイ利用者との人員配置基準です。一般的な特養と同じく常勤換算で3:1以上が条件とされています。特養との違いとして、日によって利用者の出入りがあるため、毎日在籍人数が異なる点が挙げられるでしょう。この場合算定する際の利用者数は、当該年度の前年度の利用者数平均から求められます。新規事業所の場合は推定数が該当することになります。
次に役職ごとの人員配置を見ておきましょう。ショートステイ事業を行うためには、介護・看護職だけでなく、さまざまな職種の人材が必要となります。管理者の他にも、医師や生活相談員、栄養士に機能訓練指導員などを配置する必要があります。次の章でこれらの人員に求められる資格や能力について詳述していきましょう。
どんな人材が必要?サービス提供者の種類と配置
ショートステイと一口にいっても、短期入所生活介護と短期入所療養介護とでは役割が多少異なります。また、併設型と単独型でも求められるものは変わってくるでしょう。とはいえ、必要な人員配置に関しては大きな違いはありませんので、ここではひとまとめにして確認することにします。
ショートステイ事業者で必要とされる人材のうち、介護職や看護職は比較的人数を揃えるのが容易な職種といえます。管理者に関しては、新規事業を行う場合であれば自身が担うケースも少なくないでしょう。機能訓練指導員は看護師が兼務するのが一般的となっています。医師に関しては外部の医院と提携して、非常勤として勤務してもらうことがほとんどです。
もっとも困難となるのが、生活相談員を担う人材の確保でしょう。一般的には生活相談員になるためには、社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格などが必要とされます。しかしそれらの資格を有していなくとも、ケアマネージャーや介護福祉士の資格、もしくは相談員として十分な能力があると認められたものでも可能となっています。いずれにせよ資格の有無に関わらず、高い能力を求められるのは間違いありません。とりわけショートステイの相談員の役割は、多岐に渡ります。常日頃から多くの関係機関との連絡・調整が必要ですし、一定以上の稼働率を確保するためには営業努力も欠かせません。それぞれの利用者ごとに、ケアプランに準じた個別介護計画書を作成することも必要です。他にもショートステイ利用のための契約対応や、介護保険の請求業務なども相談員の役割です。これらの業務を円滑にこなすためには、介護職として能力が優れているだけでは十分ではありません。ケアマネージャーとしての能力や地域の社会資源の把握、それに介護保険法に関する知識など、幅広い知識が求められるのです。
どの事業所でも優秀な相談員が離職しないために、様々な方策を講じています。外部から引き抜いてくるのが難しい点も、優れた相談員を確保するのが困難な理由のひとつです。
常勤や専従などの働き方に関する諸条件
人員によっては、常勤であることが条件となっていることもありますから、注意が必要です。利用定員が20名未満の併設事業所以外では、生活相談員および介護職員もしくは看護職員がそれぞれ1名以上常勤であることが条件となっています。管理者に関しては、人数や併設・単独に関わらず常勤で1名が必置です。医師に関しては常勤である必要がなく、協力医療機関を設定することで非常勤でも可能となりました。その他の人員では、利用定員が40名を超えれば栄養士を1名以上配置する必要があります。
以上、ショートステイ事業に必要な人材についてみてきました。他の介護事業と同様、ショートステイにおいても人材の育成と獲得は、非常に大きな問題となっています。とりわけ生活相談員のような代えの効かない職種に関しては、外部から獲得できる可能性は低いといわざるを得ないでしょう。優秀な人材を確保するためには、やはり事業所内での人材育成が必要不可欠だといえます。
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