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介護報酬臨時改定で処遇改善!新加算の交付を受けるための申請方法は?

2022/07/19
介護報酬臨時改定で処遇改善!新加算の交付を受けるための申請方法は?

2022年10月に介護報酬臨時改定が実施されることになっています。介護施設など介護事業の運営者は、今回の改定でどのような点が変わるのか気になるところではないでしょうか。新規で介護事業への参入を考えている事業者にとっても、知っておきたい部分です。そこで、この記事では、介護報酬臨時改定の内容を解説したうえで新加算を受けるための申請方法などについて紹介していきます。

介護報酬臨時改定

1.介護報酬臨時改定とは?

はじめに、介護報酬臨時改定とは何か、基本的なことを解説していきます。

1-1.介護職員等ベースアップ等支援加算を新設

介護報酬臨時改定の主なものとして「介護職員等ベースアップ等支援加算」が新設されます。介護職員は賃金水準が低いといわれており、それが慢性的な人手不足の原因であると考えられています。業務上、介護職員は体力の面でも精神面でも負担が大きくなりがちです。ところが、現状ではその負担に見合った十分な賃金が与えられているとはいえません。そこで、処遇改善を行い、介護業務の内容に見合う賃金への引き上げが重要であると考えられたことで新たな加算が設定されることになったのです。

「介護職員等ベースアップ等支援加算」によって、収入をこれまでの3%ほど引き上げる措置がなされます。これは、月額に換算すると9000円程度に相当する額です。実際の加算率は、介護職員の人数やサービスの種類などをもとに事業所の規模に応じて設定されます。また、事業所の判断によって、介護職員以外の処遇改善の収入として充てることも可能です。「介護職員等ベースアップ等支援加算」は事業所単位で配分するもので、事業所内での配分には制限を設けていません。ただし、「介護職員等ベースアップ等支援加算」の目的はあくまで介護職員等のベースアップです。そのため、加算額の3分の2は基本給もしくは毎月必ず支払われる手当の引き上げとして充てる必要があります。

1-2.介護職員等ベースアップ等支援加算の算定要件は?

続いて、「介護職員等ベースアップ等支援加算」の算定要件について説明していきます。まず「処遇改善加算」の1〜3のいずれかを取得していなければなりません。そして、先ほど説明したように加算額の3分の2は介護職員のベースアップ等に使用することも要件となっています。これは「介護職員等ベースアップ等支援加算」によって賃上げ効果の継続を図ることを目的としているためです。つまり、基本給または毎月決まって支給される手当ての引き上げとして充当しなければいけません。

処遇改善の対象職種は、原則として介護職を基本としています。しかし、事業所の判断で介護職以外の職員の処遇改善として充当することも可能です。ただ、介護報酬臨時改定が2022年10月であることから、年度の途中で事務処理の負担が生じることになります。これについては、2021年補正予算の措置として2022年2~9月に「介護職員処遇改善支援補助金」を手当てすることで賃上げし、その時点で事務処理を行います。算定要件や加算の仕組みをそのまま引き継ぎ、処遇改善興亜を維持するという形です。つまり、2022年2~9月に前倒しで所定の賃上げを行うことも算定要件になっています。

1-3.新加算が従来の加算と異なる点は?

次に、新加算が従来の加算とどのような点が異なるのか説明していきます。介護症の処遇改善に関する加算としては、従来の「介護職員改善加算」と「介護職員等特別処遇改善加算」に加え、新加算の「介護職員等ベースアップ等支援加算」の3つがあげられます。それぞれの要件を満たすことができれば、3段重ねでの加算を受けることも可能です。このうち「介護職員処遇改善加算」については介護職員のみが対象となっており、キャリアパス要件と職場環境等要件を満たさなければなりません。要件をいくつ満たしているかで加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)に分かれてきます。

「介護職員等特別処遇改善加算」は、要件を満たしている事業所であれば対象です。そして、事業所の判断で「経験・技能のある介護職員」「その他の介護職員」「その他の職種」に配分できます。「介護職員等特別処遇改善加算」は、介護福祉士を配置している割合に応じて加算率を2段階に設定しているのが特徴です。

2.介護職員等ベースアップ等支援加算申請から交付までの流れ

最後に「介護職員等ベースアップ等支援加算」の申請から交付までの流れを説明していきます。まず、介護事業所として「処遇改善計画書等」を作成し、管轄の都道府県に提出しましょう。「処遇改善計画書等」には賃金改善額の月額総額を記載しますが、職員一人ひとりの賃金を記載する必要はありません。事務処理自体は2021年の補正予算という扱いになるため、2021年度中(2022年2月~9月まで)に賃上げが実施されていることが要件になっています。

申請後、管轄の都道府県から介護事業所に向けて交付の決定がなされると、補助金の交付が実施されます。そして、賃金改善期間が終了したら、介護事業所は管轄の都道府県に対して「改善実績報告書」を提出しなければなりません。もしも、要件を満たしていないときは補助金を返還することになっています。ですから、くれぐれも要件から外れることのないよう注意が必要です。

加算を受けられるように手続きを取ろう

介護報酬臨時改定は介護職の現状を考え、介護に従事する者の賃金改善を図ることを目的としています。同時に、介護業界の人手不足を解消することにつながるため、経営者にとっても「介護職員等ベースアップ等支援加算」は心強い対策といえます。交付の要件を満たしているなら、きちんと加算を受けられるよう、忘れずに申請手続きを取るようにしましょう。

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