
リフトインストラクター資格・リフトリーダー養成研修について解説!

介護は肉体的負担の大きな仕事です。そのために、スタッフがなかなか集まらないといったケースも少なくありません。そのような悩みを持っている介護事業者におすすめなのが、介護リフトの導入です。しかし、導入のために「何をすればよいのかよくわからない」という人も多いのではないでしょうか。そこで、介護リフト導入の課題やその際に欠かせない、リフトインストラクター資格取得のためのリフトリーダー養成研修などについて解説します。
リフトインストラクター、リフトリーダー養成研修
1.介護リフトを活用するメリット
そもそも介護リフトとはなにか?というと、「ベッドから車イス」「車イスから浴室」などといった移動を自力でできない高齢者や障害者のために、吊り具を用いて移動を助ける機器のことです。こうした介護リフトがない場合、介護スタッフが高齢者や障害者を直接持ち上げて運ばなければなりません。しかし、それを続けていると、介護スタッフの体に負担が蓄積され、腰痛などを引き起こす原因となってしまいます。逆にいうと、介護リフトの導入は、介護スタッフの負担を軽減し、腰痛などの予防になるというわけです。
また、仕事の負担が軽減されれば、職場環境の改善につながり、その点をアピールすることで、介護スタッフの人員確保をもたらすことにもなります。さらに、無理なく仕事ができるので介護中の事故を防ぎ、安全性を高められるのも大きなメリットです。
2.介護リフト導入の課題
介護スタッフの腰痛予防に有効だとされる介護リフトですが、それはあくまでも正しく使用すればの話です。誤った使い方をしていると、逆に腰を痛めることになってしまいます。また、使用する相手によっては皮膚トラブルの原因になる可能性もあるため、利用者の皮膚のコンディションについても理解しておく必要があります。それに、介護リフトの効率的な活用方法を理解していないと、思ったほどの効果が得られなかったということにもなりかねません。
したがって、導入する際には、介護リフトの正しい知識と操作スキルを身に付けることが重要な課題となってくるわけです。さらに、介護リフトには様々な種類があるため、利用者の状況に適したものをいかに選択するかといった問題も見逃せないポイントだといえます。
3.リフトリーダー養成研修とは
介護リフトの導入を円滑に行うには、具体的な利用方法を理解している人材が必要となります。しかし、介護リフトに対する専門知識や技術を有している人材を募集しても、なかなか集まらないというのが実際のところです。そうした現状を打破するために実施されているのが、「リフトリーダー養成研修」です。この研修の目的は、各介護事業所で介護リフトの利用方法の指導的立場を担う人材を育成することにあり、介護スタッフの肉体的負担を軽減させながら介護リフトを有効に使用する方法などを学ぶことができます。
研修の受講方法は、それを実施する団体によっても異なりますが、数千円程度の受講料を支払い、2日ほどの日程で行うのが一般的です。また、定員が設けられているため、研修は各法人から選ばれた代表者が参加するという形になります。
4.「リフトインストラクター」資格とは
リフトリーダー養成研修を修了すると、「リフトインストラクター」の資格試験に挑戦することができます。リフトインストラクターとは、介護リフトを用いて介護施設の環境改善を行える人材であることを証明する資格制度です。この資格を取得すれば、介護リフトを有効に使用する方法や介護スタッフの腰痛予防などの知識やスキルを有しているというお墨付きをもらえ、ほかの介護スタッフに対する指導ができるようになります。
ちなみに、試験には筆記試験と実技試験があり、その結果によって合格者は初級・中級・上級のいずれかに認定されます。どのランクにどの程度合格できるかは毎回異なりますが、初級合格者が大部分を占め、中級および上級合格者はごく一部というのが一般的です。
5.「中小企業労働環境向上助成金」が使えるかも
介護リフトを導入したいけれど、資金面で厳しいという企業も少なくないはずです。そういう場合に利用を検討したいのが、「中小企業労働環境向上助成金」です。中小企業労働環境向上助成金はその名のとおり、職場の労働環境の向上を図りたいときに活用することができる、雇用管理制度の導入など事業主に対して助成するものです。介護関連事業の場合は、介護福祉機器の導入も助成金の対象となるので、介護リフト導入の際にも利用できる可能性が高いというわけです。ちなみに、この助成金制度には、「介護福祉機器等助成」と「雇用管理制度助成」の2種類があり、介護リフト導入は前者に該当します。
介護福祉機器等助成の支給額は、導入費用の2分の1までの上限は300万円までです。ただし、この助成を受けるには、あらかじめ「導入・運用計画」を作成し、都道府県労働局の認定を受けなければなりません。また、助成金が支給されるのは、実際に機器を導入し、労働環境の改善が確認されてからです。
6.資金繰りが心配なら「介護報酬ファクタリングサービス」
中小企業労働環境向上助成金は申請すればすぐに支給されるというわけではありません。先に介護リフトを購入してからの後払いとなるのが原則です。そのため、資金繰りが心配だという事業者も少なくないはずです。そこでおすすめなのが、「介護報酬ファクタリングサービス」です。このサービスを利用すると、介護保険給付費請求額の最大80%にあたる金額を通常よりも40日程度早く受け取ることができます。そして、残りのお金は正式な介護保険給付費支払い日から3営業日後に事業所に支払われることになります。
ちなみに、介護報酬ファクタリングサービスは事業者の保有債権を有効活用する形で行われるため、連帯保証人や担保などは一切不要です。その上、キャッシュフローが向上し、借入金の圧縮や新たな資金需要に備えられるというメリットがあります。介護リフトの導入を考えている人は、このサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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