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介護事業に必要なあんな資格、こんな資格

2016/05/02
介護事業に必要なあんな資格、こんな資格

介護は資格がものをいう業界です。自分でどれだけ実力があると語っても、資格がなければ相手にしてもらえないことがほとんどでしょう。資格は能力の証明でもあるのです。事業経営者の立場からみても、資格取得者のほうが優遇しやすいのは言うまでもありません。能力が資格によって保障されている上に、介護報酬上の加算が得られるケースもあります。今回は介護業界に数多く存在する資格のうち、介護事業を始めるにあたって注目したい資格について紹介します。

まずは事業所ごとに必置とされている人員の確保を

介護事業を行う際に気をつけたいポイントの一つに、人員の配置基準が挙げられるでしょう。デイサービスであれば、管理者一名、生活相談員一名以上、看護職員一名以上、介護職員一名以上、機能訓練指導員一名以上といった風に、人員基準が定められています。訪問介護事業所の場合は、管理者一名、サービス提供責任者一名以上、それに訪問介護員が常勤換算で2.5人以上が最低人員です。介護事業を開業するにはまず、これらの職務を担うことのできる資格を持った職員を見つけることから始まります。

人員基準は定められていますが、この全てに資格が必要というわけではありません。例えば、管理者には特別な資格が必要ないため、最初のうちは特に、事業経営者がそのまま管理者を兼務することになるでしょう。また、デイサービスの介護職員には、介護福祉士や実務者研修修了者などの要件が求められず、無資格でも従事可能です。

一方で、資格がないと就業できないものもあります。代表的なのが、看護職員と機能訓練指導員でしょう。前者は看護師もしくは准看護師の資格が、後者はそれらの資格もしくは理学療法士や作業療法士などの資格が求められます。これらの有資格者はどこの事業所でも不足していますから、早め早めに手を打つ必要があるでしょう。

サービス提供責任者やデイサービス相談員にふさわしいのは?

では、サービス提供責任者や生活相談員はどのような人材でも良いのでしょうか?これらの職種にも必要な資格が定められています。サービス提供責任者は、介護福祉士もしくは実務者研修修了者、また初任者研修修了者であり、介護に3年以上従事しているものがなることが可能です。一方生活相談員になるためには、社会福祉士、精神保健福祉士の他に、介護支援専門員や介護福祉士などが従事することができます。

注意しておきたいのは、これらの資格は介護業界では取得している人が多いものの、その能力には大きな差があるということです。サービス提供責任者も生活相談員もどちらも、事業所の顔となる存在。それだけに能力と経験、指導力、それにコミュニケーション能力に優れた、総合的な資質を持った人材が求められるでしょう。また経営や給付管理に関わる機会も多い職種ですから、経営に関する基本的な知識も持っていてほしいもの。

現実には、介護福祉士の資格を有していても現場の知識しかない、他職員の指導をしたことがない、知識や技術が十分でない、といった人も少なからず存在しています。事業所の柱となる存在だけに、能力の見極めは事前にしっかりとしておきたいもの。できればサービス提供責任者や生活相談員の経験が、実際にある人を連れてくるのが一番でしょう。さもなければ、開業当初から事業の中核を担う人材の育成も行うことになり、経営が非常に苦しくなることが予想されます。

有資格者がいることで介護報酬の加算が得られる資格

2015年の介護保険改正によって、デイサービスにも認知症加算が新設されることになりました。算定には認知症高齢者の数や職員の数など、数の条件の他にも資格による条件も存在します。この加算を得るためには、認知症介護指導者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護実践者研修を修了した者、いずれか1名以上を配置することが必要とされています。これは各都道府県が行っている認知症介護に関する研修であり、本人自身の資質や経験年数が審査される他、毎年受講できる定員も定められているため、有資格者の数がまだまだ少ない資格でもあります。認知症加算の算定単位は60単位/日と、かなり高めです。そのため、この資格を持っている人は優先的に採用したい人材といえるでしょう。

未経験者から将来性を見極める資格

介護業界では人材は慢性的に不足しています。一方で未経験者が多く参入する業界であるのも事実。介護業界で経験のない人の将来性を見極めるには、どうすればよいでしょうか?ここでも資格の確認が効果を発揮します。未経験者であっても、初任者研修や実践者研修を受けることは可能です。これまでのホームヘルパー2級と1級に該当する同資格は、介護を始める上での基本的な知識と技術を学んだ証明でもあります。特に実践者研修修了者は、3年の実務経験後スムーズに介護福祉士の受験資格が得られますから、将来性を考えても優先したいものです。

介護業界は資格がモノをいう世界。それを理解している人ほど、自ら積極的に資格取得に励んでいます。介護事業を行う際には、今回紹介したような資格に注目して採用すれば、やがて事業の中核を担う存在となってくれることでしょう。

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