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介護ビジネス開業への道 (16)グループホーム

2015/07/21
介護ビジネス開業への道 (16)グループホーム

今回はグループホームについて詳しくご紹介していきます。高齢者や障害者が少人数(5~9人程度)で、介護や支援を受けながら自宅に近い状況で共同生活を送ることができる施設です。地域密着型サービスのひとつで、利用者がより家庭に近い雰囲気の中で生活でき、介護支援を受けられるのが特徴です。その他、いわゆる老人ホームにはどんな種類があるかも解説します。

さまざまな高齢者向け住宅

民間事業の高齢者住宅には、サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームがあります。

1.サービス付き高齢者向け住宅

2011年の「高齢者住まい法」改正で新設された許認可制の高齢者住宅です。10年間で60万戸の整備が目標とされています。高齢の単身・夫婦のみ世帯が、住み慣れた環境で必要なサービスを受けながら生活を続けられる仕組みです。

【認可の要件】

  • 1部屋あたり25m²の居住面積
  • バリアフリー化
  • 1日複数回の安否確認
  • 生活相談を担当する有資格者の職員を配置

24時間対応の訪問看護訪問介護の「定期巡回・随時対応サービス」などの介護サービスと組み合わせて、介護保険との連携を強めることも可能です。地域包括ケアの柱として、また補助金や税制の面で優遇される施設として、大きく注目されています。

2.介護付き有料老人ホーム

介護保険サービスの「特定入居者生活介護」の通称です。(現在では総量規制の影響で、許認可が下りにくくなっています)

3.有料老人ホーム

「入居者生活介護」の許認可が厳しくなったため、現在は民間事業として有料老人ホームの整備が進んでいます。

  • 住宅型老人ホーム
    外部の介護サービス事業所を利用するタイプ
  • 健常型
    要介護状態になった場合は退去することが条件

一般の賃貸マンションやアパートでも、有料老人ホームの基準に該当する場合は、都道府県へ届け出る義務が発生します。

4.軽費老人ホーム、ケアハウス

軽費または無料で利用できる老人ホームです。次の3種類があります。

  • A型
    お風呂と食堂があり、食事の提供や日常生活に必要なサービスを受けられます。利用には所得制限があります。
  • B型
    自炊する施設で、日常生活は自力でおこないます。食事の提供はありません。
  • ケアハウス
    お風呂と食堂があり、居宅として個室に住むことができます。

5.ナーシングホーム

一般に、サービス付き高齢者向け住宅に医療・看護サービスを組み合わせた施設のことです。在宅療養支援診療所などが併設されています。

グループホームとは?

グループホームは、「認知症対応型共同生活介護」をおこなう施設の通称です。おもな利用者は、認知症の高齢者(要支援2、または要介護1~5)です。利用者は基本的に、プライバシーが保てる個室(ユニットケア)で生活します。個人の生活を尊重し、認知症の進行を緩和させることが目的です。食事・掃除など日常生活で必要な動作をおこないつつ、生活リハビリの効果もめざします。

グループホームの場合、医師・看護師の常駐はありません。医療処置が必要な人は、入所を断られる場合もあります。また、入所中に病状が悪化したり、長期にわたる入院などで退去を求められることもあります。

グループホームの認可基準

グループホームを開業するには、法人格を持つ事業者が各都道府県(または政令指定都市)に指定申請する必要があります。必要な書類や詳しい基準は各地域で異なりますが、おもな要件は次の通りです。

【グループホームの設備基準】

  • 共同生活住居として1以上のユニットを設置
  • ユニットの入居定員は10人以下
  • 各ユニットに居室・居間・食堂などの必要な設備がある
  • 居室の定員は原則として1人
  • 居室面積は7.43m²以上

【グループホームの人員基準】

  • 代表者(認知症の介護業務の経験者、または介護経営の経験者であること※)
  • 常勤管理者(介護の経験3年以上)
  • 介護職員(1人以上は常勤であること)
  • 計画作成担当者

※別に「認知対応型サービス事業開設者研修」を修了した者であること
基本的には運営する法人の代表者であり、法人の規模によっては、地域密着型サービスの事業部門の責任者などを代表者とすることができます。常勤管理者と計画作成担当者の兼務は認められています。

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