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2018年の介護報酬改定による加算項目は?

2018/01/15
2018年の介護報酬改定による加算項目は?

介護事業を行う際に見逃せない重要な動きが介護報酬改定です。介護事業所の中には運営のためのメインとなる収入が介護保険料であるというところもあります。このため介護報酬改定の動きが事業の運営に大きな影響を与えることも少なくないのです。介護報酬は、その90%が税金で補われています。このことから国により3年に1度の見直しと改定が行われているのです。そして3年に1度の改定は2018年に行われます。ここでは、気になる2018年の介護報酬改定に予測される動きについて詳しく解説します。

介護報酬改定は小幅引き上げ方向で検討されている!

要介護者や要支援者に介護サービスを提供した際に事業者がサービス提供の対価として受け取る報酬が介護報酬です。介護報酬は原則として基準額の90%が税金、10%が利用者の自己負担で支払われています。そして、介護報酬の基準額は介護給付費分科会という審議会での審議内容を元に厚生労働大臣が定めることが介護保険法で決まっているのです。少子高齢化により介護サービスを受ける高齢者が増加し、今後ますます介護事業の需要が高まると予想されています。そのような状況の中で、収益の高さを求めて異業種から参入する企業も見られます。しかし、専門的なノウハウが十分でないことなどの理由から事業がうまく回らず倒産する企業も少なくありません。

また、介護の現場では仕事に対する賃金の低さや人手不足による1人あたりの労働負担の重さなどから、離職率が高い傾向です。人手不足となっているところも多くあり、逼迫した状況に陥られているところもあります。3年に1度の改定年にあたる2015年にはマイナス2.27%という大きな引き下げが行われました。しかし、その負担は厳しい状況にさらされている介護業者の収益率を下げ、さらに追い打ちをかけたのです。訪問介護や通所介護といった一部の介護事業を除いた多くのサービス事業で大幅に収益性が下がってしまう結果となります。

この現状を踏まえて2018年の介護報酬改定では小幅ながらも引き上げ方向で検討されているといわれています。引き上げとなれば、収益率の低下に苦しんでいた事業者も今後の損益計画や事業における見通しを立てることが可能となることでしょう。

<加算項目予想1>処遇改善加算

2018年の介護報酬において加算が予想されている項目の1つが処遇改善です。介護業界の人手不足や離職の一因となっているのが労働に対する賃金の低さです。労働する人たちにとって給料の高さは重要な待遇条件となります。このため、介護の現場で働く人手を確保することを目的に国は「処遇改善加算」という制度を制定しました。事業所で働く介護職員が定着して労働を続けることができるように事業所が取り組みをしていると認められると介護職員の給料に上乗せする費用の支給を受けることができる制度です。

具体的には介護職員が今後キャリアアップして働けるように昇給や評価制度の仕組みを整備することもひとつです。さらに、働きやすい職場の環境作りへの改善に努めることなどの条件をクリアすることで支給を受けることができます。加算区分は2017年より5つの区分となり各区分で定められているキャリアパス要件や職場環境等要件を満たすことによって該当する加算を取得することができるようになるのです。手続きとしては事業所が実際に計画を立てたうえで都道府県や市町村などの自治体へ報告します。報告内容が自治体により認められると事業所は介護職員の給料の上乗せとなる費用を受給することができるのです。

2017年に行われた介護報酬の臨時改定では、今まで加算1だった区分が加算2となり、加算2は加算3と下げられました。そして新設した加算1として、日ごろ事業所で働く平均人数を表した常勤換算による介護職員1名あたりの月額が1万円アップしています。「介護離職ゼロ」を掲げる安倍政権により介護職員の賃金引き上げの方針が打ち出される中、2018年の介護報酬改定では、この処遇改善加算はさらに上乗せされることが予想されているのです。

<加算項目予想2>通所リハビリテーションへの加算

通所リハビリテーションへの加算もプラス改定が予想されている加算項目です。通所リハビリテーションとは、在宅で介護生活を送る要介護者が病院や介護老人保健施設といった指定の施設に通い、理学療法や作業療法など必要なリハビリを受けられるサービスです。通所リハビリテーションを請求する事業所数は年々上昇傾向にあります。リハビリにより機能を維持することを目的とする場合、介護保険による通所リハビリのサービスを受けることが一般的です。しかし、実際には機能維持のためのリハビリであるにもかかわらず医療保険によりリハビリを受けているケースも少なくありません。また、患者の入院期間の短縮化が見られる診療報酬制度ですが、早期の退院をする在宅介護者の、その後のリハビリ支援を行う受け皿となる施設の必要性が高まっています。

2018年以降の介護報酬改定では、介護報酬とともに診療報酬改定も同時に行われます。これによってリハビリにおける医療保険と介護保険の役割の明確化に向けた見直しが行われ、医療と介護の両面からの取り組みが実施されることが期待されるのです。そして、2018年以降に予定される「医療保険リハビリから介護保険リハビリへの移行」を目指して、通所リハビリテーションのサービスにおける、さまざまな報酬加算が検討されるでしょう。たとえば、介護保険のリハビリ職の配置に対する事業所の体制は重要です。

さらに、人材不足が予測される介護業界の効率化を目指したサービスの短時間提供といったことなどについての加算が予想されています。

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