
国策としての自立支援介護!流れに乗り遅れないために

少子高齢化の進行や介護職従事者の減少など、介護をめぐる状況は日々変化しています。要介護状態の人口の増加と介護者の不足が見込まれるなか、これまでの「介護者が何から何までお世話する」形式の介護の見直しが迫られています。要介護状態の人口を抑えるべく、政府は自立支援介護を推進しはじめました。国策として注力されている自立支援介護の概要や、流れに乗り遅れないために介護事業所が取り組みたいポイントを紹介します。
自立支援介護の要点
自立支援介護とは、介護を必要とする人が自分らしく生活するために、心身のコンディションを向上できるよう支援する介護の在り方です。かつての介護は、介護者が何から何まで代わりにおこなうものでした。
しかし、介護を受ける人の生活の質をより良くするためには、本人が意欲や活力を持って毎日を過ごすことが大切です。介護者は一人ひとりの状態を踏まえ、自力でできることとサポートすべきことを区別したうえで、自立を目指したサポートを推進していくことが求められます。
そもそも、なぜ自立支援介護が求められるのでしょうか。背景にはますます進行する少子高齢化があります。人口における高齢者の割合は年々増加しており、2025年には団塊の世代が65歳以上になります。一方で、少子化により納税者の減少や家族介護者の減少が見込まれています。また、介護職従事者の減少も社会問題です。
このような状況が続くと、現状の仕組みでは増加する高齢者を支えきれなくなるため、政府は要介護状態の人の自立や社会参加をうながす政策に取り組んでいるのです。たとえば、高齢者が一挙に増加すると見込まれる2025年までに、要介護状態であっても慣れた土地で自分らしく生活できる仕組みを整えるべく、地域包括ケアシステムの構築が推進されています。また、平成30年の医療・介護報酬同時改定では、要介護状態の高齢者の自立支援で成果を出した介護事業所の報酬が引き上げられました。このように、自立支援介護はもはや国策といっても過言ではありません。
自立支援介護で求められるもの
自立支援介護のうち、身体介助では「食事、水分摂取、排便、運動」が軸となります。この4点は相互に関連しており、どれかひとつの機能が損なわれると、残りの3点の機能も低下してしまいます。その一方で、4点の能力をバランスよく向上させれば、体調や体力の改善が見込めるでしょう。具体的には、歩行や認知症、失禁などの改善や常食化などです。
食事にあたっては、すぐ介護食に頼るのではなく、咀嚼や嚥下の改善をサポートしながら常食を目指すことが大切です。介護食では、食事の楽しさや美味しさが感じられず、単に栄養補給の手段となってしまいます。できるかぎり常食を目指し、食事を生活のよろこびのひとつにしていくことが求められます。
水分摂取では、1日1,500ミリリットルを目安にしながら、積極的に水分補給をすることが重要です。特に高齢者は自分でのどの渇きに気づかないことがあるため、こまめに水分を摂る習慣がつくようサポートする必要があります。排便では、できるだけ自然排便を促すことが目標です。事業所によっては可能な限りおむつを使わず、布パンツでの生活ができるようサポートしているケースがあります。歩行訓練もあわせておこないながら、ポータブルトイレからトイレへの移行を目指しています。運動では、利用者の状態に応じて体操やトレーニングマシンなどさまざまな方法を活用しながら、自立した質の高い生活を実現するための機能訓練が求められます。一律の対応ではなく、個別訓練を通して細やかにニーズへ対応していくことが重要です。
自立した生活を促すサービス構築を
自立支援介護では、身体能力の向上だけでなく精神面のサポートも重要です。特に「高齢だからできない」などの諦めをなくすことや、前向きに生活するための生きがいややりがいを見つけることがポイントとなります。
よく取り組まれているのが、事業所内での役割分担です。利用者にお皿拭きやモップ掃除、窓拭き、洗濯物たたみなどの仕事を担ってもらうことで「誰かの役に立っている」「自分は仕事を任されている」といった張り合いが生まれます。ただし、仕事を割り振るさいには利用者個々の希望を聞いたり、心身に無理がないか十分に確認したりすることが欠かせません。また、趣味の教室やイベントなどを通して、利用者に楽しみや生きがいを見つけてもらうことも重要なサポートです。利用者同士のコミュニケーションもうまれ、生活に活力がもたらされるでしょう。
寝たきりの状態の人にも「自分のことは自分で決める」という意欲を持ってもらうために、何かを選ぶときには必ず本人の意思確認をおこなうなどの細やかな気配りも大切です。
さらに、事業所内だけでなく事業所外部との関係構築も目指しましょう。介護だけでなく予防や医療、住居や生活支援が地域社会で一体的に提供される地域包括ケアシステムが国をあげて推進されています。高齢者を地域社会全体で見守るためには、介護事業所と地域住民との連携が欠かせません。交流会などを通して地域住民と利用者が日常的に交流することで、介護事業所への理解を得られたり、利用者にとっての刺激になったりといったメリットが期待できます。
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