
訪問介護における新型コロナウイルス関連特例措置って?資金繰りが不安なら

世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症は、介護業界にも大きな影響をおよぼしています。こうした危機的状況を踏まえて、厚生労働省は新型コロナウイルス関連の「介護サービスに関する特例措置」を設けました。このなかで、国は一時的な人員不足や設備などについて、柔軟な対応を取るとしています。この記事では、介護事業者が知っておきたい特例措置の主な内容や新型コロナウイルスへの対策について解説します。
新型コロナウイルス関連特例措置, 訪問介護
1.【新型コロナウイルス】介護サービスに関する特例措置
新型コロナウイルスの感染が広がるなか、国は介護サービスを提供する事業所に対しての特例措置を発表しています。新型コロナウイルス感染患者への対応や学校の休校などによる人員不足や運営基準の緩和、報酬などに配慮したものです。ここでは、特例措置の主な内容を紹介しますので参考にしてください。
1-1.訪問サービスに関して
従来の訪問介護では、サービスを時間で区切り、2時間未満の間隔を空けて提供した場合は、それぞれを合算して報酬請求をする必要がありました。しかし、新型コロナウイルスの流行によって、利用者からのニーズが多様化しているのが現状です。感染リスクに配慮する人や事業所も増えて、介護事業所への通所を控える利用者も増えました。結果的に訪問サービスの利用頻度が増加していることも踏まえて、おおむね2時間未満の間隔を空けて介護サービスを提供した場合でも、それぞれについて介護報酬の算定が可能になりました。
また、介護サービスを提供するときには、高齢者との接触が避けられないため、新型コロナウイルスの感染リスクを低減する配慮も必要です。そこで、生活援助のサービス時間を短縮することや、入浴ではなく清拭にするといった工夫をした結果、サービスの時間が20分未満になっても報酬を算定できます。ただし、事前に利用者へ説明し、同意を得ておくことが必要です。ほかにも、発熱などの症状が見られる利用者への対応が増えて有資格者が不足した場合には、実務経験のある人であれば、訪問介護を行ってもよいとしています。
1-2.通所サービスに関して
新型コロナウイルス感染の拡大防止に関連する措置として、通所サービスを行う事業所に対し、国は介護報酬算定の請求単位数についての変更を発表しました。これは、提供した通所サービス時間の区分を、一定の条件のもとで従来よりも2区分上げるものです。例えば、提供したサービスの報酬区分が2時間以上3時間未満の場合、4時間以上5時間未満の報酬区分で算定できます。ただし、この報酬区分で算定するには、介護支援専門員と連携し、利用者からの同意を得ておく必要があります。
介護報酬の算定条件には、必ずしも休業要請や新型コロナウイルス感染者の発生、利用者の制限などの条件は必要ありません。感染防止対策を徹底している通所系サービス事業所であれば対象となるので、防止策をしっかり行っているかを再確認しましょう。2020年6月から適用となる新型コロナウイルス対策の介護報酬算定は、通常の請求と同様に、期限は2年間となります。新型コロナウイルス感染症の予防のため、時間短縮など通所サービス内容の変更があった場合、利用者の同意を得ておけば、担当者会議を実施する必要はありません。
1-3.福祉用具に関して
新型コロナウイルスの影響を受けた福祉用具に関しても、国は柔軟な対応を示しています。例えば、介護予防に必要な福祉用具が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により入手できない場合も考えられます。そのため、実際には次の年度に購入することになっても、特定福祉用具販売計画などにより購入の申し込みをすれば、年度内に給付を受けることが可能です。福祉用具貸与計画などの作成においても、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、利用者との対面が難しい場合には、電話やメールで柔軟に対応しても問題ありません。
2.引き続き警戒を!介護現場における感染防止策
新型コロナウイルスの感染予防について、国は1人ひとりの咳エチケットや手洗いなどの対策が大切としています。集団感染の予防には、換気を良くする、人が密に集まることを避けるなどの基本的な対策を提示しています。介護サービスに対しても、利用者にとって欠かせないものとした上で事業所への感染予防を呼びかけました。2020年4月には、新型コロナウイルス感染の拡大防止のために「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)」を示しています。事業所が感染防止対策を徹底するために、職員間での情報の共有・連携を行うことや、感染者発生時の対応などに関する内容です。
具体的には、新型コロナウイルスの感染経路を遮断するために、消毒など基本的な感染防止策の徹底が求められています。職員は、出勤前に各自で体温測定をするなど健康状態を確認し、発熱などがある職員については事業者が経過を把握しておかなければなりません。また、「3密(密閉・密集・密接)」をできるだけ避けるために、利用者数を減らす、換気を励行する、マスクを着用するといった工夫も大切です。介護現場には、送迎時や感染者が発生した場合の対応などについても徹底した感染予防の取り組みが求められています。
3.資金繰りが厳しく、早期資金調達が必要な場合は
国は新型コロナウイルス関連の特例措置のなかで、介護サービスを行う事業所への様々な配慮を示しています。しかしながら、新型コロナウイルス感染防止のために、利用者数を減らして密を避ける、サービス提供時間の短縮をするといった対策を取れば、報酬の算定額は減ってしまいます。そこで、新型コロナウイルス対策によって資金繰りが厳しい事業所には、リコーリースの「介護報酬ファクタリングサービス」をおすすめします。審査料や更新料が無料で、早期に資金調達できる便利なサービスがあることを念頭に置いておくと心強いでしょう。
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