
2022年度の骨太方針はどうなる?まずは2021年度の概要をチェック!

2021年6月に、2021年度の経済財政運営と改革の基本方針である「骨太の方針」が閣議決定されました。今後、2022年度の骨太方針が、どのようになるのかを考える前に、まず、2021年度の骨太の方針について見直しておきましょう。この記事では、特に介護分野で、どのようなことに言及しているのか、に触れつつ、2021年度の骨太の方針の概要や4つのポイントについて解説します。
【目次】2022年度, 骨太方針
2022年度, 骨太方針
1.骨太の方針とは
2022年度の骨太方針を考える前に、2021年度の骨太方針について、その基本内容を見直してみましょう。骨太の方針の正式名称は、「経済財政運営と改革の基本方針」と言い、政権の重要な課題、次年度の予算編成の方向性といった基本的な方針についてまとめたものです。毎年6月頃、首相が議長となり、経済財政諮問会議で策定されています。骨太の方針の第1弾は、2001年の小泉政権時代でした。官邸による政治主導で予算を決定するため、年明けから議題を決めて検討をします。メンバーは首相のほか、経済財政諮問会議経済財政担当相や財務相、民間議員などです。
骨太の方針という呼び方は、宮沢喜一財務相(2001年当時)が、この会議における議論を「骨太」と表現したことがはじまりになっています。由来は、基本策を諮問会議で、具体策を財務省で決め、「骨や軸がしっかりしている」ということです。骨太の方針が決定された後、概要や詳細な内容については、内閣府の公式ホームページにおいて、PDF形式で国民も確認することができるようになっています。
2.骨太の方針2021の概要
「骨太の方針2021」では、2019年から世界的に流行している新型コロナウイルス感染症の対策に関して、経済活動の継続とともに、感染拡大を防止し、重症者や死亡者を可能な限り抑制することを基本としています。具体的な内容の1つが、感染者数が短期間で急増した場合、前年度の冬の約2倍の感染者数を想定した体制に、緊急切り替えを行うことです。また、感染症の対応によって明らかになった医療提供体制に関する課題の克服も目指します。
さらに、大規模な自然災害に備えることも方針の1つとし、防災や減災、国土強靭化対策が重要であると定めています。この実現のために、十分な予算の確保を行い、自助や共助、公助を組み合わせて取り組みを行うことを決めました。台風や土砂災害、豪雪による被害の影響は非常に大きく、一部の県では、一時的に自宅を離れて避難しなければならなかったり、豪雪で自宅に閉じ込められる状態になったりという事態が、毎年のように起こっています。対策として、グリーンインフラの活用や災害リスクを考慮した土地利用規制、災害予測精度の向上などを推進する予定です。
経済面では、コロナ前の水準まで早期回復することを目指し、自律的な経済成長のために、「マクロ経済政策運営」を行います。例えば、過疎化する町や村も多い地方の都市部から、多くの人が移住・定着できる取り組みや、中小企業・小規模事業者への支援、所得拡大を促す税制措置などです。所得拡大を促すものとして、企業の付加価値創出力の強化、雇用人数の増加、賃上げといったものが挙げられています。
3.骨太の方針2021で注目された4つのポイントとは
骨太の方針2021では、「グリーン社会の実現」「デジタル化の加速」「活力ある地方づくり」「育児のしやすい社会の実現」といった、4つのポイントが注目されています。
「グリーン社会の実現」は、再生可能エネルギーの主力電源化を徹底することで、脱炭素化を図るものです。日本では、温室効果ガス排出を実質ゼロにするという「2050年カーボンニュートラル」を宣言しており、経済成長とともに、地球温暖化防止や生物多様性保全も両立するとしています。
「デジタル化の加速」では、デジタル・ガバメントを確立し、社会に求められているデジタル人材の育成を進めます。例えば、経済界や教育機関と連携しながら専用プラットフォームの構築を行ったり、地方のデジタル人材育成の取り組みを行ったりなどです。デジタル人材プラットフォームにおいては、教育コンテンツ・カリキュラムの整備、実践ができる学びの場の提供などを行います。
また、地方から都市部への人の流れを食い止めるため、「活力ある地方づくり」として、都市部から地方への人の流れを促進します。同時に、地方経済を盛り上げるため、観光やインバウンドの後押しも積極的に行う予定です。具体的には、地方企業に就職することや農業での起業、地方での起業などが挙げられます。それを前提として、早期に地域経済活性化支援機構の人材リストを1万人規模に拡大する予定です。
「育児のしやすい社会の実現」は、子どもを産み、育てやすい環境を整備するもので、日本の少子化問題が予測を上回る勢いで進んでいるなか、子ども視点になって政策を行おうというものです。少子化問題に加え、児童生徒の自殺者数の増加や児童虐待、いじめといった問題も多く、こういった不安に寄り添いながら、妊娠や出産・子育てをしやすくなるように様々な課題の解決を行います。例として、男性の育児休暇の取得を促進することなどが挙げられます。
4.介護分野における大きな変更はなし
2021年度の骨太の方針では、介護分野において大きな変化はなく、利用者負担の引き上げ、ケアプランの有料化といった給付費抑制案については見送られています。しかし、すべての世代が安心できる全世代型社会保障の実現に向けた取り組みや、介護費1人あたりの地域差縮減については言及されました。2024年度の介護保険の改正に向けた施策が必要とされており、2022年度以降は給付費抑制の施策を再検討する見通しとなっています。
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